この絵本の内容紹介
山奥で暮らす鬼の子どもは退屈しのぎに村に出かけることにしました。
鬼の子どもが村に行くのは初めてのこと。山を下りて村に着いたというのに外には誰もいません。村の家々に明かりが灯っていたので一番大きな家に行くことにするのでした。
ところが家に着くと、「おには、そとーっ!」と人間の子どもの大きな声が聞こえ、家の中から何かがパラパラと飛んできたので鬼の子どもはびっくり。慌てて縁の下に潜り込みました。
縁の下には鬼の他にも何かいます。真っ黒い服を着た男も縁の下に潜り込んでいたのです。
「なにをしてるんだ?」
鬼の子どもが勇気を出して話しかけると、真っ黒い服を着た男は「まってるんだよ」と言います。そして、自分は「ふく」だと言うのです。
鬼の子どもが何のことだか分からずにいると、また何かがパラパラと降ってきました。拾ってみると良い匂いがします。次はかじってみると感動するほどの美味しさです。鬼の子どもは初めて豆を食べたのでした。
そうこうしていると家の中から「ふくは、うちーっ!」と子どもの大きな声が聞こえ、真っ黒い服を着た男が家の中に入っていきました。
「おには、そとーっ!」と子どもの声がするので鬼の子どもは家に入ることができません。鬼の子どもはすっかり豆に夢中になって、庭に落ちている豆を拾っては食べ、拾っては食べ……。
さて、「ふく」だと名乗る真っ黒い服を着た男の正体は何だったのでしょう。