この絵本の内容紹介
かくれんぼをするためにツヨシがクラスのお友達を保育園の竹藪に集めました。
ところが、今日のツヨシは威張りん坊。いつもならジャンケンでオニを決めるというのに、タカシがオニだと勝手に決めてしまうのです。
どうして自分がオニなのかとツヨシに尋ねますが、理由も言わずに強く押し付けるので、タカシは仕方なくオニになることにしました。
「もういいかーい?」
「まあだだよ」
「もういいかーい?」
タカシは両手で目を覆って、お友達が隠れるのを待ちます。
「もういいかーい?」とさらに尋ねると返事はなく、あたりはしーんとした様子。そこで、タカシがあたりをキョロキョロ見回していると……。
「もういーよ!」とタカシの目の前に突然と現れたのは、なんと赤鬼の子どもでした。
この赤鬼の子どもの名前はキッチ。ツヨシが威張りん坊になったのは、リンリンボウという鬼が取り憑いたからだと言います。リンリンボウが取り憑いた子どもは悪い子どもになってしまうのです。
「ぼくたち ふたりで ちからをあわせて リンリンボウを やっつけちゃおう!」
キッチがタカシの手を握ると……不思議なことにタカシはあっという間に緑鬼になってしまうのでした。
緑鬼のタカシは、北風が吹いても寒さを感じません。鬼になったことに戸惑いながらも、急に強くなったような気持ちが芽生えます。
さっそくキッチとタカシはリンリンボウを追い払うためにツヨシのもとに向かうことにするのでした。
今日は節分ということで保育園では豆まきが始まります。
「オニは〜そと! ふくは〜うち!」と豆まきをする子どもたちの中にツヨシがやってきますが、背後にはリンリンボウがギュッと抱きついています。
「オー二さんこちら てーのなるほうへ♪」
ツヨシにしがみついて離れないリンリンボウをどうにかしようと、キッチとタカシが挑発すると……。
キッチとタカシは、ツヨシからリンリンボウを引き離すことができたのでしょうか。そして、威張りん坊のツヨシは優しい男の子になるのでしょうか。
この絵本では節分を題材にした愉快な物語が展開しますが、物語のみならず、「節分の由来」や「豆を撒く理由」、「恵方巻きを食べる理由」や「鬼の面の作り方」などの解説もあります。
読んで楽しい、読んで学べる、読んで体験できる、素敵な要素がたくさん詰まった節分シーズンに最適な絵本です。