この絵本の内容紹介
元気な子グマの三兄弟は、一番目がパッピで、二番目がプッぺ、三番目がポー。名前を合わせるとパッピプッぺポーです。
三兄弟は大好きなおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に暮らしており、友達にも恵まれています。猫の子ども達と走り回ったり、牛と一緒に歌を歌ったり、モグラの家に遊びに行ったりと楽しい毎日を過ごしています。
とても充実した日々……ですが、寂しい思いをすることもありました。
「ママと パパ、どうしてるかな〜」とパッピが言うと、「もうすぐ かえってくるかな〜」とプッぺが言いました。
パパとママは遠くで働いているので一緒に暮らせないのです。
「ねぇ、ママと パパは いつ かえってくるの?」
畑仕事から帰ってきたおばあちゃんにポーが訊ねると——
「ママと パパは とっても たいせつな おしごとを しているから、それが おわったら かえってきますよ」
おばあちゃんは三兄弟を励ますように優しく答えました。
そして、それから数日後の夜、おじいちゃんは三兄弟と『いちごずかん』を読んでいる途中で嬉しいことを教えてくれました。
「ママと パパは はるに なって、いちごが あかく みのったころに かえってくるよ」
それを聞いて三兄弟は大喜び。
「ほんとう!?」
「それじゃあ、いちごを つくろう!」
「つくろう、つくろう!」
パパとママが帰ってくる春を、イチゴを育てながら待つことにしたのです。
それからまもなく、三兄弟は力を合わせてイチゴの苗を畑に植えました。そして、毎日欠かさずに水やりをしました。栄養もたっぷり与え、虫取りも怠りませんでした。強風の日も雪の日も一生懸命に畑の世話をしました。
「ママと パパ、もうすぐ かえってくるね!」
「はやく いちご できないかなあ」
「ママと パパが かえったら、いっしょに いちごのデザート つくろうよ!」
三兄弟はパパとママの帰りを待ちながらイチゴが実るのも楽しみに待ちました。
そんなある日、三兄弟が畑に行くと、とうとうイチゴの花が咲いていました。パッピもプッぺもポーも大喜びで飛び跳ねました。
ところが、その喜びも束の間……花から実がなって大きくなっても、なかなかイチゴは赤くなりません。
三兄弟はイチゴと睨めっこしながら赤くなるのを待ちました。
そして、ある朝、起きたばかりの三兄弟が畑に行くと——