この絵本の内容紹介
ある日、男の子が学校から帰ってくるとテーブルの上にリンゴが一つ置いてありました。そして、そのリンゴを見かけた瞬間、ふと思うことがありました。
「……でも……もしかしたら これは りんごじゃないのかもしれない」
男の子の「かもしれない」の妄想が膨らみ出す!?
もしかしたら——
大きなサクランボの一粒かもしれない……
中身はブドウゼリーなのかもしれない……
剥いても剥いても皮しかないのかもしれない……
メカがぎっしり詰まっているのかもしれない……
——男の子の妄想は、まだまだ続きます。
実は何かの卵なのかもしれない……
育てると大きな家になるのかもしれない……
宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない……
表面をよく見ると小さな宇宙人がいるかもしれない……
このように一度膨らんだ妄想は止まることを知りません。それどころか、男の子の「かもしれない」の妄想は、これまでとは違う方向に展開し始めます。
「そもそも なんで ここに あるんだろう。」
そもそも——
お母さんがスーパーで買ってきたのかもしれない……
酔っぱらったお父さんがどこかから持ってきたのかもしれない……
何かの合図かもしれない……
罠なのかもしれない……
男の子の妄想の行き着く先は!?
「でも……もしかしたら……やっぱり ふつうの りんご かもしれない……」
これほど妄想を繰り広げたにも関わらず、男の子は誰もと同じ発想に落ち着き、リンゴを手に取りました。
それから匂いを嗅いでみたり、くすぐってみたり、見つめてみたり、最後は食べてみると……。
ピクトブック編集部の絵本談議
男の子が見たのは、テーブルの上にリンゴが置かれただけのありふれた光景だよね。その日常の一場面が、切り取り方次第でこれほどユーモアに溢れるんだね!
うんうん。
想像力というか、妄想力というか、こういう発想が面白いよね!
読み進めていくうちに、なんだかクセになるような気がするね!
何を見ても「かもしれない」と思ってしまうようになるかも(笑)