この絵本の内容紹介あらすじ

ある朝、犬のガルシアが草むらから何かの脱け殻を見つけてきました。

まるで全身タイツのような脱け殻。それを見た少年は、これは何なのだろうかと興味津々です。

そこで物知りのおじいさんに尋ねてみることにするのでした。

絵本「こびとづかん」の一コマ

おじいさんは、これは珍しいものだと言って、クサマダラオオコビトの抜け殻だと教えてくれます。みんなが気づいていないだけで世の中にはいろんなコビトが生息しているのです。

絵本「こびとづかん」の一コマ2

おじいさんは、ずっと昔にコビトの観察をしていました。
そして、その記録をまとめたものが「こびとずかん」なのです。
その図鑑を借りた少年は、さっそくコビト探しに出掛けていくのでした。

絵本「こびとづかん」の一コマ3

まず最初に探すのは、クサマダラオオコビトです。黄色い花を見つけてカゴに盛り、それを草むらにセットすればクサマダラオオコビトがやってきます。このときのコツは、黄色い花にハチミツを2、3摘垂らしておくことです。

クサマダラオオコビトがやって来たら、「トウチン」というコビトの頭に付いた触手のようなものを摘まんで捕まえます。トウチンを掴まれたクサマダラオオコビトはぐったりして何もできなくなるのです。

クサマダラオオコビトは、ひどく青臭いので素手で触れるときは注意が必要です。また、牛乳で洗えばその臭いは落ちるのです。

絵本「こびとづかん」の一コマ4
絵本「こびとづかん」の一コマ5

クサマダラオオコビトを捕まえた少年は、本当にコビトがいることに驚き、他のコビトも捕まえようと張り切ります。そして次は、リトルハナガシラを見つけることにするのでした。

リトルハナガシラは、集団行動が得意です。肉の匂いに引き寄せられ、獲物を見つけると一斉に襲いかかります。この習性を利用するのがリトルハナガシラを捕まえるコツで、動物で引き寄せるのが効果的なのです。

そして、リトルハナガシラが狩りに夢中になっているところを後ろから縄で縛り上げることが重要です。もし正面から捕まえにかかると逆にひどい目にあってしまうので注意しなければなりません。そういうわけで、リトルハナガシラを捕まえるときは、多少の危険と覚悟が必要なのです。

少年は、他にもモクモドキオオコビトやベニキノコビトを見つけに出掛けます。それぞれのコビトによって、見つけ方も違えば、捕まえ方も違い、それぞれに注意が必要なのです。


おじさんが個性的な全身タイツを見にまとったかのようなコビトの容姿と愛くるしい表情や動きに何だか癒されてしまいます。

そして、捕まえたコビト達を虫カゴに入れて帰ってきた少年におじいさんが伝えた一言は、人権の大切さを教えてくれることでしょう。

図鑑さながらにコビト達の詳しい特徴を記したページも見所たっぷりの絵本です。