この絵本の内容紹介
くまの学校のくまの子達は、全部で12ひき。上から11番目まではみんな男の子で、最後の12番目が唯一の女の子ジャッキーです。
とても天気のいい朝、ジャッキーは久しぶりに牛のマオマオの所にやって来ました。
ところが、マオマオを見たジャッキーはびっくり。驚くほどに丸々と太っていたのです。
太り過ぎのマオマオをどうにかしようと思ったジャッキーは、運動させようとお尻を一生懸命に押してみますが、マオマオは無反応でびくともしません。マオマオのぐーたらぷっりに愛想を尽かすと、ジャッキーはぷりぷり怒って一人で散歩に出かけるのでした。
しばらくすると、おやつを食べていたジャッキーのもとに、慌ててお兄ちゃん達がやって来ました。マオマオは太っているのではなく赤ちゃんを身ごもっていたのです。
次の日の朝、マオマオは可愛い女の子を生むのですが、赤ちゃん牛はとても小さくて、立ち上がって歩くことができません。
「ママの おっぱいを いっぱい のんで じぶんの あしで ちゃんと あるけないと あかちゃんうしは おおきく なれないんだ。」
ディッキーにいちゃんがそう言うと、ジャッキーはとても心配になるのでした。
赤ちゃん牛は一日に何度もおっぱいを飲まなければなりません。そこで、ジャッキーはマオマオのおっぱいを絞っては哺乳瓶で飲ませてあげます。
赤ちゃん牛とマオマオにつきっきりで子育ての手伝いをするのですが、それでも赤ちゃん牛は立ち上がることができません。ジャッキーは心配な気持ちに加えて悲しい気持ちになりました。
その夜、ジャッキーは心からお祈りしました。
「かみさま おねがいです。あかちゃんうしが はやく たって あるけるように ちゃんと おおきくなれるように どうか まもって あげてください。」
それから、ペーターにいちゃんに教わってお守りも作るのでした。
そうして三日経った朝、それまで藁にうずくまっていた赤ちゃん牛がふらふら立ち上がってジャッキーのほうに歩いて来ました。ジャッキーは、その様子を見て大喜び。
その後、ジャッキーは赤ちゃん牛をミルクと名付け、一緒にたくさん遊びました。
ミルクの成長を見守るなかで、ジャッキーは胸のところが温かくなる感覚が芽生えます。
胸に手を当てながら不思議そうなジャッキー。この気持ちは一体何なのでしょう。