この絵本の内容紹介
日曜日のお昼、えびおの家に宅配便がやってきました。差出人はえびおのおじいちゃん。誕生日のプレゼントにと、おじいちゃんから送られてきたのは、赤と白の模様のうきわでした。海も川も、プールすらない町に住んでいるえびおは、うきわが何かもわかりません。えびおのおとうさんもおかあさんも、おじいちゃんの意図がわからず首をひねります。
ひそかに同封されていたおじいちゃんの手紙には、次の満月の夜を楽しみに、それまでは大事にしまっておいてください、というメッセージが書いてありました。おじいちゃんがどうしてそんな手紙をくれたのかはわからないけれど、えびおは毎晩窓から夜空を見上げて、満月の夜を心待ちにするようになります。そして、いよいよやってきた満月の夜。うきわに空気を入れてベランダに出たえびおを待っていたのは……。
輪郭のないふわりとしたパステル調で描かれるのは、予想外の壮大な展開。細部まで描きこまれた繊細な絵が織り成す大冒険に、気がつけば夢中になっていること間違いなしです。
ちょっぴり切なく、そして幸せな気分で物語は終わりを迎えます。子どもはもちろん、昔子どもだったお父さんやお母さんにも、ぜひ読んでほしい一冊です。