この絵本の内容紹介あらすじ

ミニパトカーのぱとくんは、いつも団地のパトロールばかり。警察署の仲間のパトカーや白バイ達は、事件を追ったり交通違反を取り締まったり、第一線で活躍しています。

「ぼくもあんなに大きかったらいいのに」「白バイは車の間をすり抜けられるからいいな」「スピードが出ていいな」なんて、仲間達が羨ましくてたまりません。そんなぱとくんの気持ちを聞いていると、なんだか人間の世界と同じようで心がチクっとしますね。

けれど、悲しんでいるばかりではありません。自分を必要としてくれている人たちがいることも、ぱとくんは知っています。団地に行けば「ちびっこパトカーだ!」と子ども達が集まってくるし、「ぱとくんが見守ってくれているから安心して過ごせる」と言ってくれる人たちもいるのです。

そしてある夜、警察署に緊張感が!
町に住む子どもが2人行方不明になったのです。そのとき警察署に残っていたパトカーはぱとくんだけ。署長さんの「ちびすけ行け!絶対に見つけるんだ!」という言葉に、ぱとくんは気を引き締め警察署を飛び出します。ぱとくんの「必ず見つけてみせる」という強い気持ち。文から、絵からぴりぴりと伝わってきます。

「子ども発見!ふたりとも無事!」と本部に伝えるぱとくんの声を聞いて、読んでいる子ども達もほっと胸をなでおろすでしょう。
「よくやったぞ、ちびすけ!」という署長の言葉が、とても誇らしく響きます。どんなに周りが羨ましく見えても、自分の持っている力を大事にして精一杯頑張ることが大事なんだと感じさせてくれる絵本です。