この絵本の内容紹介あらすじ

100歳になる猫のチビは、鏡の中に現れた鏡の精に、「もうすぐこっちの世界へ来るんだよ」と告げられます。
「ぼくがいなくなったらチョコちゃんが悲しむ! そんなのだめだ!」と、チビは自分のそっくりさんを探すため、オーディションを開催します。目が丸くて、おっぽが長くて、鼻がハートのかたちのチャトラのオス猫・・・
ようやく見つけたチビ2号に、自分の癖や仕草、好物などあらゆることを教えこむと、ついにチビ2号をチョコちゃんの元へ送りだすときがやってきます。

チャトラ猫のチビは、室井滋さんが初めて飼った猫。本書は、そんなチビとの別れをモチーフにして、チビの視点で書かれた物語です。
動物と家族のように暮らす人たちにとって、ペットとの死別はつらい出来事です。でもペットのほうでも同じように別れをつらく感じ、また飼い主のことを思いやっているのです。
姿がなくなっても想い続ける気持ちをちょっぴり切なく、でも室井さんらしく、明るくユーモラスに描いています。

保護猫や老猫の問題にも関心を寄せ、愛してやまない猫たちのために活動されている室井滋さんが、今もっとも心から伝えたい物語です。