この絵本の内容紹介あらすじ

森のはずれに二つの家がありました。小さな切り株は子リスの家で、大きな洞穴はクマ君の家。のんびりなクマ君と元気な子リスは、いつも一緒にいるくらい大の仲良しです。

ある日、ふたりは散歩に出かけました。ちょうど市場を歩いているとき、子リスはクマ君に贈り物をしようと考え、何か欲しいものはないかと尋ねました。ところがクマ君は欲しいものが思いつきません。

「だいすきな くまくんに、じてんしゃをおくろうかな。かぜを きって はしったら、きっと、きもちが いいよ」

子リスは、市場で素敵な自転車を見つけてそう言いました。ところが、今吹いている風で十分に気持ちが良いとクマ君は言うのです。

次は素敵な毛糸を見つけた子リス。クマ君にセーターを編んであげようかなと提案します。ところが、冬は暖かい布団で眠るから十分だと言うのです。

子リスは何か贈り物をしようと考えますが、クマ君が何も欲しがらないので少し落ち込んでしまいます。

それでも子リスは諦めません。花束の贈り物をしようと考えたり、遊園地に連れて行こうと考えたり、クマ君への贈り物を一生懸命に考えます。

ところが、いくら提案してもクマ君はどれも必要ないと答えます。子リスはいよいよ諦め加減。これ以上、喜んでもらえそうな贈り物が思い浮かばなかったのです。

「ねぇ、くまくんに しあわせな きもちに なってもらいたいんだ! どうすれば、きみは うれしくなるの? なにを したら、しあわせなの?」

落ち込んでいた子リスは、クマ君に向かって思わず叫んでしまい……。

何の欲もないクマ君が本当に欲しいものとは一体何なのでしょうか。クマ君と子リスの友情に心が温まるお話です。