この絵本の内容紹介あらすじ

古いカシの木の切り株に、4匹の仲間達が暮らしていました。トカゲとカエルとカメと、それからシオドアという名前のねずみです。

——ある日、仲間達は自慢話を始めました。

「ぼくの しっぽは きれたって すぐ はえかわるんだ」とトカゲが言えば、「ぼく みずに もぐれるよ」とカエルが言い、「ぼくは はこに なれる」とカメは言いました。

けれども、シオドアには自慢するほどの特技がありませんでした。逃げ回るくらいしか出来なかったのです。そんなシオドアを仲間達は馬鹿にするように大笑いしました。

不思議なキノコとの遭遇

シオドアは、とても臆病なねずみです。ある日は、木の葉がひらひら落ちてくると、フクロウだと勘違いして慌てて逃げ出しました。

そうして逃げ隠れたのは、大きなキノコの影。真っ青な珍しいキノコでした。その影に長いこと隠れるうちに、シオドアは段々と眠気に襲われました。

そんなとき、妙な音が突然と聞こえ、シオドアは跳び上がりました。
「クィルプ!」という音が、どこからともなく聞こえてきたのです。

けれども、まわりを見渡してもキノコがあるだけ。他には何も見当たりませんでした。夢でも見たのかと考え、シオドアはキノコの涼しい影に戻っていきました。

ところが、シオドアが眠り込みそうになっていると、また妙な音が聞こえてきました。なんと、その音の正体はキノコだったのです。

「きみ くちがきけるの?」

シオドアはそう尋ねますが、キノコは何も答えませんでした。
「クィルプ!」という不思議な音を立てるだけで、話すわけではなかったのです。

シオドアの嘘

そんなとき——突然、シオドアはキノコを見ながら閃きました。仲間達のところに戻ると、秘密を打ち明けるかのように語るのでした。

「だいじな はなしがある。さっき ぼくは ものいうきのこを みつけた。せかいに ただひとつしか ないんだ。それは しんりの きのこで,ぼくは そのことばが わかるように なった」

シオドアは話し終えると、さっそく仲間達を案内し、キノコの音を聞かせました。

けれども、仲間達の誰も意味を理解できせんでした。それこそがシオドアの狙いだったのです。知ったかぶりをして、このように説明しました。

「すべての どうぶつの なかで ねずみが いちばん えらいって いみさ」

絵本「シオドアとものいうきのこ」の一コマ

嘘の結末

それからというもの、シオドアはすっかり偉くなりました。仲間達の作った冠を被って、動物達に讃えられながら暮らしていました。

もう怖がる必要もなければ、逃げ回る必要もありませんでした。

そんなある日、シオドアは仲間達とともに旅に出ました。ヒースの野原を抜け、森の端まで進み、越えたことのない丘まで辿り着きました。

ところが、その丘の頂上まで登ると、驚く光景が広がっていました。丘の下の谷間には、何百もの青いキノコが群生していたのです。しかも「クィルプ!」の大合唱を響かせていました。

——世界に一つしかないはずの青いキノコ。
その群生を発見した仲間達は……。


ピクトブック編集部の絵本談議

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嘘をつくと最後に大惨事が待ってるんだね。
シオドアが嘘をついてしまった理由も理解できるけど、やっぱり嘘は良くなかったね。

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うんうん
けど、騙される方も良くなかったのかもよ。

誰かを見下すような考えがあったから、シオドアの口車に乗せられたんじゃないかな。

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「長いものには巻かれろ」みたいな損得勘定で動いてしまったから、シオドアが偉いと思い込んでしまったのかもね。

ところで、嘘がバレたシオドアはどうなっちゃたんだろう?

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それは読んでからのお楽しみだね!

本当の友情が何なのかを考えさせられると思うよ。