この絵本の内容紹介あらすじ

「ぼく みなしご」
「おとうさんも いない」
「おかあさんも いない」
「ぼく ひとりぼっちなんだよー!」

ふくろうのオリバー君は、塞ぎ込んだり、めそめそ泣いたり、泣き叫んだり。ところが、本当はお父さんもお母さんもいるのです。オリバー君はお芝居をしていたのです。

「とっても おしばいが じょうずね」とお母さんに褒められるほど、オリバー君はお芝居が上手でした。昼はいろんな鳥の真似をして、夜になってもいろんな鳥の真似をしました。

一方、お父さんは「でも べんごしか おいしゃさんに なったほうが いいな」と言います。そして、オリバー君に医者ごっこのおもちゃと弁護士ごっこのおもちゃを買ってあげたのです。

「このこの さいのうを のばして やりましょうよ」

オリバー君の両親はそういった想いで、お芝居の勉強をさせたり、タップダンスを教えたり、子育てに熱が入ります。そうして、オリバー君は医者の役も弁護士の役も上手に披露し、両親を喜ばせました。

そんなあるとき、「オリバーは おおきくなったら いしゃか べんごしに なるだろうよ」とお父さんが言い、「オリバーは きっと はいゆうに なるでしょうよ」とお母さんは言いました。ところが、大きくなったオリバー君がなったのは……。


このお話は、子育てに熱中しすぎる親に対してチクリと何かを伝えるかのようです。自分の子どもの才能を伸ばしてあげたい。その想いはとても素敵なことですが、ときには温かく見守ることも大切なのではないかと感じることでしょう。