この絵本の内容紹介
「あなたの ママはね、—— だったの。」と、おばあちゃんがアルバムを見ながら、孫娘に優しく語りかけます。
ママは生まれたとき、ぽちっとした目をして、ふわふわの髪でした。
ママは赤ちゃんの頃、抱っこしてもらうのが大好きでした。お腹や足をこちょこちょすると「ぐぐぐ」と笑いました。『いない、いない、ばあ』も好きでした。
ママの小さい頃の友達は、ぶぶちゃんという名前のぬいぐるみ。外で遊ぶときも、寝るときも、いつも一緒でした。
ママは可愛い子どもでしたが、ときどき悪い子になることもありました。言うことを聞かずに喚いたり、「やだ、やだ、やだ!」と言って叫んだり。そんなときは、「少しそこで大人しくしていなさい」とおばあちゃんが怒りました。
おばあちゃんは、ママの子どもの頃の話をするたびに「あなたに そっくりね。」と孫娘に語りかけます。
お父さんやお母さんも、昔は誰でも子どもでした。ところが子どもにとっては、この当たり前の事実が不思議に感じられます。自分が生まれたときには、お父さんもお母さんも大人だったので、想像が追いつかないのです。
お父さんやお母さんの子どもの頃の話は、おじいちゃんやおばあちゃんが一番得意なことでしょう。そして、その話を聞いた子ども達は、お父さんやお母さんの存在がちょっと違って見えてくるはずです。一番身近な人の知らない話に、目を輝かせながら聞き入るのではないでしょうか。
また、大人が自分の子どもの頃のことを思い出すと、自由奔放な子ども達を見る目が変わるはずです。自分も昔は同じだったと思えば、気持ちが楽になることでしょう。
この絵本は、子どもが大きくなっても、年齢を重ねても、親子の愛が普遍的であることを描きます。子どもが大人になっても、親にとってはいつまでも可愛い子どもなのです。そして、その愛は孫へと続いていきます。