この絵本の内容紹介あらすじ

頭は土鍋、鍋の具材のネギや豆腐の煮えると頭も冴えてくる。そんな鍋奉行大岡越前のかみなべすけ。江戸の町民の揉め事は何でもお任せです!

ある日、貧しい旅人が餅を拾いましたが固くて食べられない。すると、どこからか香ばしいにおいが立ちこめてきます。そこには、おいしそうなウナギを焼く煙が!

熱い煙に餅をかざせばやわらかくなり、うなぎの臭いもついて美味しくなるぞと思いたちます。

そうして、旅人が餅を食べているところに、店の主人が出てきて「臭いの分の代金を払え」とやってきます。
「いやいや僕が食べたのは餅でうなぎではない」と旅人は言い返し、両者の言い分は対立するのでお白洲(おしらす:江戸時代の裁判所)へ。そこで鍋奉行様の登場です!

奉行はどちらの話もじっくり聞いて、具がぐつぐつ煮えるまで考えます具が煮えたらお裁き決定!小判の名案(三方一両損)で解決します。

「金の音」という外国のお話(原作は餅ではなくパン)をもとに、作者の穂高さんが庶民の味方大岡越前(おおおかえちぜん)を主人公にして再話を書きたいと思い立ち、できあがった作品です。

鍋奉行の服装はテレビの時代劇でおなじみの青の裃に背中は桜吹雪。お白洲の場面ではあのテーマ音楽まで聞こえてきそうです!

パロディーの要素がたくさん含まれていてじっくり楽しめるので、けち臭い主人のいやらしさなんて吹き飛ばしてくれます。

そして、こんなふうに揉め事をユーモアで解決してくれる奉行がいたら、私たちも頼りにしてしまいそうですね。

鍋奉行のお白洲の場面のページいっぱいの鍋の絵がとってもおいしそうで思わず鍋が食べたくなります。もちろん、冬の読み聞かせにもぴったりです。