この絵本の内容紹介
「あやまってすむようなうそはつかない」――。嘘に誠実であるほど、「ぼく」の言葉が深く響く。谷川俊太郎の珠玉の詩が絵本に!
「うそはくるしい」はずなのに、平気でうそをつく人がいる。大きな声でうそをつき、しらを切り通す人もいる。うそをくり返したら、ほんとうになるのだろうか。この世はほんとのことより、うそであふれている。うそをつかない人なんて、この世にはいないだろう。でも、どうして人はうそをつくのだろうか。ついついてしまったうそ。ごまかすためのうそ。自分を守るためのうそ。相手の幸せを願ってつくうそ。そもそも[ついていいうそ]と[ついてはいけないうそ]、[いいうそ]と[悪いうそ]ってあるのだろうか。あるとすれば、その違いはなんだろう。いい・悪い、軽い・重いの基準で測れるものだろうか。この絵本は、詩人・谷川俊太郎さんが1988年に発表した詩「うそ」に、イラストレーター・中山信一さんが絵を描き、構成した一冊。ある男の子がうそについていろいろと思い、考える。心の奥深いところまで届く、時おり読み返したくなる宝物のような一冊。