この絵本の内容紹介
「おとなって おもしろい」
「おとなだから おもしろい」
「おとなこそ おもしろい」
大人になったからこそ分かることもあるのです。
「おとななんか ぜんぜん つまらないよ」
「おとななんか ぜったい なりたくないよ」
男の子は、そんなことを漠然と思いました。すると突然、スーツを着た大人の男性が男の子の前に現れ、こう言いました。
「そんなこと きみは いうけれど なったこと ないでしょ じっさいに おとなにさ」
自分に向いていて、本当になろうと思えば、スポーツ選手にも科学者にもパティシエにも先生や警察官にもなれるとその男性は言います。大人になれば、自分で自分の人生を切り開いて進むことができると言うのです。
ところが、子どもから見た大人は大変そう……。
「おとなは しごともさ しなくちゃだし」
「おとなは こそだても しなくちゃだし」
女の子は、そんなことを漠然と考えました。すると今度は、大人の女性が突然と女の子の前に現れ、こう言いました。
「そんなこと きみは いうけれど なったこと ないでしょ じっさいに おとなにさ」
本当にやろうと思えば、働いて稼いだお金で趣味に打ち込んだり、旅行にも行けるとその女性は言います。自分で自分の好きなことをとことん追求できるのが大人だと言うのです。
NHK放送文化研究所調べでは、中高生の57%もが「おとなになりたくない」と感じています。それは、仕事や育児で忙しそうな大人の姿を見てきたからなのでしょう。
悲観的な大人の姿勢というのは、子どもの将来への希望を少しずつ少しずつ蝕んでいるのかもしれません。この絵本は、それとは逆に「大人の素晴らしさ」を余すことなく存分に描きます。生き生きとした大人の表情に元気をもらえるような気持ちになります。
「本当にやろうと思えば」あらゆる可能性が広がっていることを、子ども達が実感できるのではないでしょうか。
また、自由奔放に遊べる子どもが羨ましい、そう考えている大人の方も何か感じるものがあるのではないでしょうか。