この絵本の内容紹介
『ちいさなあなたへ』のアリスン・マギー最新作。雪がしんしんとふったよく朝、少年は心をこめて雪だるまをつくった。目を入れて、鼻をつけて……最後には自分の帽子をかぶせてあげた。少年にとっては、雪だるまはもうただの雪だるまじゃない。とても大切な友だちだった。少年はその冬、ずっと雪だるまといっしょだった。けれど――春が近づいてきた朝、雪だるまはいなくなっていた。少年があげた帽子をぽつんと残して。少年はただただ悲しくてさびしかった。どこかで、「大切に思ったものはなくならない。どこかにちゃんといるんだ」と聞いたことがあったけれど、そんなの信じられない。だって、雪だるまはそばにいてくれないんだから……ところがあるとき――。大切なものを失ってうちひしがれた少年が、その喪失をうけいれて、前向きに歩んでいけるようになるまでを、やさしく、ていねいに描く感動作。愛するものを失ったことのあるすべての人におくります。