絵本

雪の写真家 ベントレー

雪の写真家であるウィルソン・A・ベントレーの生涯を描いた伝記絵本。

この絵本の内容紹介あらすじ

畑仕事には牛を使い、闇夜をランプで照らしていた時代のこと、ある農村でウィリーという男の子が暮らしていました。

ウィリーは何よりも雪が大好きな男の子。雪が降ると大喜びで外に飛び出します。

手袋にも畑にも納屋の屋根にも雪は静かに落ちてきて、ウィリーはその舞落ちる雪をじっと見つめるのです。蝶やリンゴの花も綺麗なのですが、雪の美しさが一番だとウィリーは感じるのでした。

雪の美しさに魅せられたウィリーですが、雪の魅力を分かち合うのは簡単なことではありません。
蝶であれば網で捕まえて見せられるし、リンゴの花であれば摘んで見せられるのです。
ところが、雪はすぐに溶けてしまうので蝶やリンゴの花のようにはいきません。

他の子ども達が雪合戦をして夢中で遊びまわっているなか、ウィリーだけは違っていました。お母さんにもらった古い顕微鏡で雪の結晶を観察していたのです。ウィリーは、雨粒や植物の観察も行いますが、一番のお気に入りはなんと言っても雪の観察でした。

顕微鏡で見る雪の結晶は、想像以上にきめ細やかで美しく、同じ形は一つもありません。ウィリーは、この美しい雪の結晶のことをみんなに知ってもらいたいと考え、三度の冬に渡って何枚も何枚もスケッチをするのです。ところが、スケッチが終わる前に雪は溶けてしまうので簡単なことではありませんでした。

そんなある日、本を読んでいたウィリーは、顕微鏡付きのカメラの存在を知るのです。このカメラがあれば雪の観察がより捗ると、ウィリーはお母さんに相談するのでした。

ところが、お父さんはウィリーが雪に夢中なことに頭を抱えていました。それでも、お父さんもお母さんもウィリーの気持ちを十分に理解していたのです。ウィリーの願いを叶えてあげたいと貯金を切り崩して顕微鏡付きのカメラを買ってあげることにするのでした。

その顕微鏡付きのカメラは、子牛よりも背の高い大掛かりな品で、十頭の乳牛よりも高価な品です。ウィリーは世界で一番立派なカメラを手に入れたのでした。

ところが、この顕微鏡付きのカメラは、扱いがきわめて難しい物だったのです。初めのうちは暗い影が写るばかりで雪の結晶を捉えることはできません。雪が降るたびに何度も何度も撮影にチャレンジしたのですが、その冬に上手に撮れた写真は一枚もありません。ウィリーは次の冬をじっと待つことにするのでした。

そして、また冬がやってくると、ウィリーは雪の結晶の撮影に改めてチャレンジするのです。何度も失敗を重ねたウィリーですが、一つの工夫を加えて撮影したところ、雪の結晶を上手に写し出すことに成功するのでした。

これでやっと雪の美しさをみんなと分かち合えるのだとウィリーは大喜び。ところが、ウィリーの予想とは裏腹に、雪の写真に興味を持つ人など誰もいなかったのです。それどころか、村の人たちからは冷やかな笑いを受けるだけなのでした。

それでもウィリーは、雪の美しさを信じて止みません。いつかきっと、世界中の人々が自分の撮影した写真を喜んでくれると信じていたのです。そして、ウィリーは何年も何十年も生涯をかけて美しい雪と関わり続けたのでした。

雪の美しさをみんなに知ってほしい一心でウィリーは人生を捧げますが、その想いは世界中の人々に伝わるのでしょうか。

この絵本は、雪の写真家であるウィルソン・A・ベントレーの生涯を描いた伝記です。家族の愛情やベントレーのひたむきな姿を、温かみのある版画で描き出します。

出版社からの内容紹介

1999年度 コールデコット賞受賞作品

ウィリーは、雪が降ると大よろこびで外に飛びだします。
そして、舞い落ちる雪をじっと見つめるのです。
雪の美しさは、どんなものにも決してまけない。
ウィリーは、そう思っていました……。
小さな農村で、生涯を雪の研究と結晶の写真撮影にささげ、ついに世界的な雪の専門家としてたたえられるようになったW・A・ベントレー。
家族の愛情に見守られ、ひたむきに雪を追いつづけたその一生を、静かな詩情に満ちた物語と、古きよき時代の米国を伝える素朴な木版画で綴った心あたたまる伝記絵本です。
やさしい解説を添えたゆきとどいた構成で、米国で高く評価された秀作です。

出版社「BL出版」より
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