絵本

シャクルトンの大漂流

100年以上前の実話に基づく、南極大陸横断の冒険物語。南極の地で長らく彷徨った極限状態の彼らは・・・。

この絵本の内容紹介あらすじ

1874年2月15日、アーネスト・シャクルトンは、10人兄弟の2番目として生まれました。小さな頃から学校の先生に楯突いてばかりのシャクルトン。それとは裏腹に、本好きで、特に詩が好きな少年でした。

じっとしているのが苦手なシャクルトンは、16歳で家を飛び出し、船乗りになります。そして、順調に出世していくのですが、シャクルトンには野望がありました。それは、自分の名前がみんなの記憶に残るような立派なことを成し遂げること。

シャクルトンは、誰も踏み入れたことがない世界に、幼い頃から強い憧れを抱いていました。特に、謎だらけの南極地方に強く惹かれたのです。

シャクルトンはまず、スコット大佐率いるディスカバリー号の南極探検に隊員として参加しました。

奇しくも、スコットよりも先にアムンセンが南極点に到達します。そうなると、残る偉大な探検は、南極大陸横断のみ。シャクルトンはそう考えたのです。

そして、1914年8月8日、シャクルトンと勇敢な隊員達は南極大陸横断の冒険へと乗り出しました。この絵本は、シャクルトン一行の苦難と不屈の精神に満ちた物語を詳細に描きます。

資金集めと隊員募集

南極大陸横断の最初の試練は、探検のための資金調達。当初はなかなか思うようにいきませんが、苦労に苦労を重ね、必要だった数万ポンドがようやく集まります。救命ボートにはスポンサーの名前が付けられました。

隊員募集の面接では、5,000人以上が南極大陸横断を志願。シャクルトンと副隊長のフランク・ワイルドは、専門技術の質問だけでなく、歌などの特技がないかも尋ねました。そうして選ばれたのが、26人の男達です。

南極大陸横断には、犬の貢献も欠かせません。1914年、カナダからロンドンに99頭の犬が送られました。その中から、69頭を冒険用に選び、全ての犬に名前を付けました。

犬達は、全て様々な種類の雑種犬。冒険用に選ばれた雑種犬は、とても丈夫で、毛皮が厚く、気立ても良かったのです。それに、平均体重は45kgも。

これらの犬は、寒さに強く、集団生活も得意。さらには、自分の体重より重い荷物も引っ張れるので、南極での活躍が期待されました。

隊員達は全員、最低でも1頭の犬の世話をすることになっていました。そうして、隊員と犬達は強い絆で結ばれたのです。

エンデュアランス号

シャクルトンは、北極海での狩猟用に建造されたポラリス号を手に入れます。そして、エンデュアランス号と名付けました。名前はシャクルトン家の家訓「不屈の精神で勝利する」から取ったものです。

幸運なことに、ポラリス号の持ち主は、経済的に行き詰まっており、すぐにでも船を売りたがっていました。また、シャクルトンの探検を応援する気持ちもあって、11,600ポンド(750万円相当)で売ってくれたのです。それでも高く感じますが、実際にかかった建造費を考えれば、破格の金額でした。

道具と物資の調達

南極大陸横断の冒険には、大量の物資や道具が必要です。ソリやスキー、毛布や手袋、それから食糧など、エンデュアランス号にはたくさんの荷物が積み込まれました。28人の隊員と69頭の犬を支えるためには、必要な物がたくさんあるのです。

出発の前、シャクルトンは英国王ジョージ5世からユニオンジャック(国旗)を授けられ、無事に持ち帰るようにと励まされました。

いざ出帆

海軍省から「出発せよ」との電報を受け、1914年8月8日、エンデュアランス号はブエノスアイレスに向けて出航しました。

イングランドからサウスジョージア島へ

ブエノスアイレスまでは大きな問題もなく到着。それでも、酒の飲み過ぎや反抗的な態度を理由に3人の隊員が解雇されました。逆に、経験豊かなカナダ人水夫ウィリアム・ベークウェルが新たに加わり、さらには19歳の勇敢な密航者パーシー・ブラックボロも加わりました。

それから、サウスジョージア島で探検の最後の準備を行い、次はサウスサンドイッチ諸島を目指して出発です。

ウェッデル海へ

エンデュアランス号がウェッデル海に入ると、いよいよ冒険の難易度はグンと上がります。ウェッデル海でエンデュアランス号は流氷帯に出くわすのです。船の前方1,000kmに渡って、ジグソーパズルのような流氷帯が広がります。

なんとか工夫しながら前に進むエンデュアランス号。ところが、厚い氷に阻まれ、立ち往生し、ついにはエンデュアランス号が氷の圧力で沈没してしまいます。

南極大陸横断の冒険はどうなってしまうのでしょうか。そして、シャクルトン一行は無事に生還できるのでしょうか。


この絵本は、シャクルトン一行を支援するための別動隊:ロス海支隊についても描きます。

人間が極限状態に直面した際、人間が人間らしくあるために何が必要なのか、100年以上前の実話が教えてくれます。夢や目的を達成するよりも大切なことが、きっとあるはずです。

出版社からの内容紹介

20世紀初頭、GPSも携帯もない時代。南極をめざして出航したエンデュアランス号は、巨大な流氷にはばまれて座礁してしまう。だが、氷上にとりのこされた28人の乗組員たちは、決してあきらめなかった。実話にもとづく、とほうもない勇気と冒険の物語。デビュー作にして、ケイト・グリーナウェイ賞史上最年少受賞作。

出版社「岩波書店」より
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