絵本

せんそう

昭和20年3月10日 東京大空襲のこと

東京大空襲から奇跡的に助かった塚本千恵子氏の悲惨な体験を描いた絵本。

この絵本の内容紹介あらすじ

ちえこは東京の浅草近くの大きな川が流れる町に住んでいました。両親は服を縫ったり売ったりする洋品店を営んでいます。家族はおじいちゃんとおばあちゃん、他の5人の兄弟を含めて10人です。

一番目と二番目のお兄ちゃんは洋品店の手伝いをしています。お母さんは仕事と子ども達の世話で大忙し。「ほら!この人形はちこだよ!」とお母さんは言って、忙しいのにも関わらず、ちえこそっくりの人形を縫ってくれました。

ある晩、お父さんが真剣な話をしました。その話とは、日本が戦争をしていること、敵の飛行機がこの町にも飛んでくるかもしれないことです。

お母さんは婦人会で軍事訓練や防火訓練をしています。他の兄弟達は空襲に備えて田舎に避難することになりました。

ちえこはまだ小さいので田舎には避難しませんでした。お母さんとお父さん、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に暮らします。

そんなある日、お父さんが兵隊として戦争に行くこととなりました。お母さんはとても心配そう。ちえこは大きな声で「いってらっしゃいませ!」と言いました。

そして、昭和20年3月10日。とても風が強くて寒い夜、何の前触れもなく飛行機の爆音が近づいてきました。アメリカのB-29という大きな爆撃機の大群が迫ってきたのです。

爆撃機の大群は、空の上から大量の焼夷弾を投下し、東京の町を火の海に変えました。大きな川も炎の色で赤く染まるほどです。

炎が燃え盛るなか、大勢の人が逃げ回ります。布団を被って火の粉から身を守る人、川の水をバケツで汲んで頭から被る人、家財道具をリアカーで運ぶ人・・・。見渡す限り、町中がごった返していました。

大きな川には大勢の死体が折り重なり、地下の防空壕では煙や暑さで死者が溢れました。

おじいちゃんとおばあちゃんは、火の回った家に閉じ込められました。ちえこは人形を持ってお母さんと走って逃げます。ところが、逃げ場を見つけられずにいると、ちえこに火の海が襲いかかり・・・。


東京大空襲から奇跡的に助かった塚本千恵子氏の体験をもとに描かれた絵本です。塚本千恵子氏が文を担当し、息子の塚本やすし氏が絵を担当しました。

昭和20年3月10日深夜の空襲被害は、死者約10万人とも言われています。この被害は、複数の爆撃機による一度の空襲では史上最大。同年の広島と長崎への原爆投下とともに、第二次世界大戦中の最大の被害とされています。

この物語から戦争の悲惨さや虚しさが伝わります。日常が突然と奪われる恐怖が伝わります。二度と同じ過ちを繰り返してはいけない。塚本千恵子氏の体験を通して、その覚悟が芽生えるはずです。

出版社からの内容紹介

わたし(千恵子)は東京・浅草の洋品店で育ちました。
チーコと呼ばれていました。
兄弟たちは疎開し、父親は戦争にいってしまいます。
1945年3月の寒い、風の強い夜、なんの前ぶれもなくやってきたB29爆撃機の大軍のために、焼夷弾で町中が焼かれ、わたしは母親と、母親が縫って作ってくれた人形をもって、無我夢中で逃げました…
10万人以上が一夜で亡くなった、世界最大の空襲・東京大空襲。
本書は、作者みずからの体験をもとに描かれた、初の本格的な東京大空襲の絵本です。
作者の塚本千恵子が少女時代に体験した、この空襲において、母親の犠牲により一命をとりとめた実体験を、息子の画家・塚本やすしが絵本にまとめました。

出版社「東京書籍」より
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