この絵本の内容紹介
ロシアの昔話「3びきのくま」をアイヌの女の子を主人公にして描かれたお話です。
満月の夜、クマの一家は森へ散歩に出かけていきました。それを見ていた月の妖精チュプは「イランカラプテ(こんにちは)」と勝手にクマのおうちに入って行きます。
テーブルの前に椅子が3つ。大きい椅子は大きすぎる。中くらいもまだ大きい。小さい椅子がぴったりと思ったら、壊れてしまいます。
テーブルの上にスープが3つあります。大きい器は熱すぎる。中くらいは冷たい。小さいスープはとってもおいしくて完食です!
ベッドも大きいベッド・中くらいのベッド・小さいベッドと並んでいます。小さいベッドでぐっすり眠って気持ちいい!と思ったらそこにクマが戻ってきて……。
一言で言ってしまえばチュプは空き巣です!しかもいろんな部屋に行って大中小の中から自分の好きなものを選んで使う図々しさったら……。
悪いのはチュプなのですが、クマが家に戻ってからの臨場感のある月の精チュプとクマの捕り物の様子は、なかなかの迫力で、ついついチュプがこの先どうなるのかとドキドキしてしまいます。
子どもの持つ冒険心と悪戯な気持ち・スリル感を満たしてくれるといった点が、世界の昔話として長く親しまれている理由なのでしょう。このお話では主人公が月に消えていくところがファンタジーっぽく終わっていて面白いです。
大人世代は、昔ながらの緑の表紙の絵本(トルストイ作)のほうがなじみ深いかもしれません。あれはちょっと怖かった・・と子ども心に思っていた方もいるのではないでしょうか。
[amazonjs asin=”4834000060″ locale=”JP” title=”3びきのくま (世界傑作絵本シリーズ)” author=”トルストイ” publisher=”福音館書店” publicationdate=”1962/05/01″ binding=”大型本” numberofpages=”17″]他にいもとようこさん、片山健さんなど名だたる作家さんたちの手で絵本化されていて、ストーリーも微妙に違っています。
[amazonjs asin=”4323036035″ locale=”JP” title=”3びきのくま” author=”いもと ようこ” publisher=”金の星社” publicationdate=”2006/05/01″ binding=”大型本” numberofpages=”32″][amazonjs asin=”4895882012″ locale=”JP” title=”3びきのくま (ミキハウスの絵本)” author=”” publisher=”三起商行” publicationdate=”1987/11/01″ binding=”単行本” numberofpages=”32″]そのなかで、アイヌの女の子が主人公という設定と、歌う感じのセリフが楽しい、工藤有為子さんバージョンを紹介しました。
それぞれに違うお話のようにバラエティーに富んでいますので読み比べもおすすめです。