この絵本の内容紹介あらすじ

寒さが厳しい木の葉の散る季節、クマはお気に入りの暖かいほら穴で冬眠を始めました。

森を冷たい風が吹き抜け、次第に雪が降り積もりますが、ほら穴でぐっすり眠るクマには外のことなど関係ありません。お気に入りの暖かいほら穴の中は、どんなに寒い日でも快適だったのです。

ところがある日、クマの冬眠する森に人間達が図面と道具を持ってやってきました。それから人間達は森の木々を次から次に切り倒し、しまいには工場を建設したのです。クマの知っている森は、すっかり姿形を変えてしまうのでした。

そうとも知らず、クマは春を迎え、ほら穴の中で目を覚ましました。長い長い冬眠のあとでは体を起こすのも一苦労です。

そして、ようやくほら穴から這い出たクマですが、まだ寝ぼけているのかと自分の目を疑いました。クマの目の前は、森ではなく工場の敷地が広がっていたのです。

クマがぽかんと呆気にとられていると、工場の職長がやってきて、「おい とっとと しごとにつけ。」と言うのです。クマは、クマではなく、薄汚い怠け者だと勘違いされたのでした。

そこで、自分はクマだと弁解しますが、職長は怒りだし、しまいには人事課長のところに連れていかれました。そして、人事課長にも自分はクマだと弁解しますが、同じように怒鳴られるのでした。

人事課長に怒鳴られたクマは、次は副工場長のもとに連れていかれ、それから工場長のもとにも連れていかれます。クマは、汚い怠け者だと罵られ、最後は社長のもとに連れていかれるのでした。


森のほら穴で冬眠していたクマは、人間の都合で工場に迷い込み、それから汚い怠け者の人間だと勘違いされるというお話です。

人間に勘違いされたクマは、迷い込んだ工場で労働者として働かされるのですが、それから一体どうなってしまうのでしょうか。

作業服を着て、ヒゲを剃り、タイムカードを入れて……、人間社会のなかで過ごしていくうちに何か大事なことを失ってしまうクマの様子からは、環境問題や労働問題、人権問題……、様々な深いメッセージが伝わってくるようです。

出版社からの内容紹介

平和な山おくの森に冬眠しているクマがいた。その森に人間がきて、木を切りたおし工場を作った。眠りからさめたクマが出ていくと、なんと工場の労働者にされてしまった。国際アンデルセン賞受賞画家の代表作。

出版社「ほるぷ出版」より