絵本

わすれられないおくりもの

この絵本の内容紹介あらすじ

年老いたアナグマは、とても賢くて誰からも頼りにされる存在。困っている友達を誰でも助ける優しさを持ち、知らないことはないというほどの物知りです。

自分がもうすぐ寿命で死ぬことも知っていました。

それでも、アナグマは死ぬことを恐れてはいません。自分が死んで体がなくなっても、心が残ることを知っていたからです。

ただ気掛かりなのは、残していく友達のこと——

「自分がいつか、長いトンネルのむこうに行ってしまっても、あまり悲しまないように」と日頃から言い聞かせるのでした。

年老いたアナグマの不思議な夢

ある日のこと、モグラとカエルの駆けっこを見るため、アナグマは杖をついて丘を登りました。

この日は特に、年を取ったことを実感します。あと一度だけでもみんなと一緒に走れたら……。そう思いますが、今ではもう叶いません。

それでも、友達の楽しそうな姿を眺めるだけで幸せな気持ちになりました。

その晩、アナグマは食事を済ませてから手紙を書きました。

そして、暖炉のそばで揺り椅子に座っているうちに、すっかり寝入ってしまい、不思議で素晴らしい夢を見るのでした。

驚いたことに、夢の中では年老いたアナグマが走っています。どこまでも続く長いトンネルを力強く走り続けます。杖も必要なく、走れば走るほど身軽になっていきました。

アナグマの悲しい知らせ

翌朝、アナグマの家の前に友達が心配そうに集まっていました。毎朝欠かさず挨拶に来てくれたアナグマが、今朝に限っては来なかったからです。

家の中を確認したキツネは、集まった友達に悲しい知らせをしました。そして、机の上に置かれていた一通の手紙を読み上げました。

「長いトンネルの むこうに行くよ さようなら アナグマより」

アナグマの死を受け入れられる友達は誰もいませんでした。

なかでも、モグラはやりきれないほど悲しくなりました。家に帰ってからもアナグマのことで頭が一杯。悲しみに打ちひしがれ、涙が溢れて止まりません。

そして夜になると、外では雪が降り始めました。森の動物達は家にこもって冬を越します。その間、アナグマの友達は悲しみを乗り越えられずにいました。

アナグマとの思い出が悲しみを癒す

やがて春を迎えて外に出られるようになると、アナグマの友達は互いに行き来しました。そして、アナグマとの思い出を語り合いました。

モグラの思い出は、アナグマに切り紙を教えてもらったこと。今ではすっかり切り紙の名人です。

カエルの思い出は、スケートの練習にアナグマが付き合ってくれたこと。立派に滑れるようになるまでいつまでも優しく見守ってくれました。

キツネやウサギ、他の友達も、それぞれにアナグマとの思い出がありました。

その思い出の一つ一つは何にも代え難いものです。アナグマはひとりひとりに宝物となるような知恵や工夫を残してくれました。

そして、アナグマとの思い出を分かち合うことで、みんなは悲しみを乗り越えることができたのです。


ピクトブック編集部の絵本談議

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なんだか大切なメッセージが伝わったような気がするよ。心が温まるね。

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うんうん。
知恵や工夫を伝え合うことの大切さだったり、誰かの心に残る存在であることの素晴らしさだったり、いろんなことが伝わってきたよ。

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優れた作品って、読む人の思い出や経験から様々な発見を引き出してくれるんだって。

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豊かな人生を送るためのヒントが見つかると思うよ。子どもであっても、大人であってもね。

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出版社からの内容紹介

だれからもたよりにされ、したわれていたアナグマが死んだ。かけがえのない友を失った悲しみで、みんなはどうしていいかわからない。でもアナグマは、野原のみんな一人一人に、すてきなおくりものをのこしていった…。“死”の意味をやさしく温かく伝え、心にしみる感動をよぶ。★教科書採用(光村図書・3年下/教育出版・3年上/東京書籍・3年上/三省堂・3年生)/第35回・課題図書/マザーグース賞/第24回・よい絵本

出版社「評論社」より
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