こんにちは!ピクトブック編集部です。
バスや電車を利用する際にICカードを利用される方は多いことでしょう。最近では、電子マネーやクレジットカード機能も付いていたりと便利アイテムの代表格ですよね。
そのICカードのなかでもJR東日本が発行するSuicaは特に有名ですね。緑の背景と電車のレールで果物のスイカを表現し、愛らしいペンギンのキャラクターが描かれたICカードのSuicaを見たことがある、また利用しているという方はとても多く、まったく知らないという方のほうが少ないのではないでしょうか。
Suicaのペンギン、その正体とは!?
ところで、Suicaに描かれたペンギンのキャラクターは、絵本に登場するペンギンがモデルであることをご存知の方はどのくらいおられるのでしょうか。
Suicaのペンギンは、Suicaのイメージキャラクターとしてたくさんの方に愛されてきました。でも、実はこのペンギンは、Suicaのためだけに描き下ろされたものではないのです。
もともとは、作者:さかざきちはる(坂崎千春)さんの描く「ペンギンゴコロ」という絵本に登場するペンギンなのです。
この絵本は1998年に文溪堂から出版され、ICカードSuicaは2001年にサービスを開始しています。
では、どういった経緯で「ペンギンゴコロ」に登場するペンギンをモチーフにSuicaのイメージキャラクターは採用されたのでしょう。
Suicaのペンギンが初めて登場したのは、Suicaのサービスが開始される少し前に遡ります。正式なSuicaのPRキャラクターとして……ではなく、もともとはSuicaサービス導入のための宣伝用ポスターでペンギンが登場しました。それで、このペンギンの評判がいいということでICカードのデザインにも盛り込まれたというわけです。
「ペンギンゴコロ」の作者:さかざきちはるさんにポスター制作の話が舞い込み、それからポスターにペンギンを描いたことがきっかけになったということです。
さかざきちはるさんは有名なイラストレーターであり、例えば千葉県マスコットキャラクターの「チーバくん」やダイハツの軽自動車「ムーヴコンテ」のCMに登場するキャラクター「カクカク・シカジカ」、隔月刊誌「Ku:nel」のイメージキャラクター「クウネルくん」の作者でもあります。
親しみ深い、愛されるキャラクター作りは、さかざきちはるさんの十八番でもあるのでしょう。
出典:さかざきちはるの世界展
※左から順番にチーバくん、クウネルくん、カクカク・シカジカ、Suicaのペンギン。
ちなみにSuicaのペンギンは、アデリーペンギンという南極に生息するペンギンをモデルに描かれているそうです。そして、南極から東京にやってきたというキャラクター設定があります。
また、Suicaのペンギンに名前をつけてない理由は「それぞれの生活者が所有するICカードの分身」という観点からだそうです。例えば、「〇〇太郎」や「〇〇子」といった名前がついた途端、キャラクターのイメージを狭めてしまいますよね。
逆に名前がないことで男の子っぽくもなり得るし、女の子っぽくもなり得る、様々なシーンで活躍するキャラクターになったというわけです。そういったことであえてキャラクターの名前はないのだそうです。
Suicaのペンギンの正体が分かると、なんだか一段と愛着が湧いてきそうですね。いつもお世話になっているSuicaですが、そのペンギンのモデルになった絵本「ペンギンゴコロ」もぜひ覗いてみてはいかがでしょう。