この絵本の内容紹介
昔、オーンというところに、ミツバチと暮らす、みつばちじいさんがいました。おじいさんは、醜くて、むさ苦しくて、しわくちゃで、日に焼けています。おまけに貧乏で、友達もミツバチしかいませんでしたが、それでもみつばちじいさんは幸せで満足していました。ある日、ひとりの若い魔法使いが、みつばちじいさんに言います。「あんたは、自分がなんの生まれかわりか、ごぞんじかな?」みつばちじいさんは考えます。一体、何の生まれ変われだろう? 大男か、強い王子か、ひょっとすると犬や馬かもしれない。おそろしい蛇だったかもしれない・・・。みつばちじいさんは、元の姿に戻るため、とびまわるミツバチをお供に、旅に出ました。みつばちじいさんは、今の自分よりましなものになりたいからではなく、ただ元の自分に戻りたいのです。旅の途中、洞穴を見つけて奥へ進んでいくと、りゅうが赤ん坊をひっつかんでいます。あんな可愛い赤ん坊を食べちゃうつもりでいるんだ! みつばちじいさんは、りゅうにミツバチの巣を投げつけると赤ん坊を抱いて逃げました。村へ行くと、赤ん坊の本当のお母さんが見つかり、みつばちじいさんに何度も何度もお礼をいいました。みつばちじいさんは言います。「わしは、きっと赤んぼうの生まれかわりにちがいないとおもうよ」こうして、みつばちじいさんは、もう一度赤ん坊に戻って、新しい人生をおくることになったのです。もう一度、もっと幸せになるために。