この絵本の内容紹介
この絵本は安野光雅さんが、世界の8カ国8人の絵本作家に呼びかけて、作った絵本です。
アメリカからエリック・カール。ロシアからニコライ・エフゲニエヴィチ・ポポフ。ブラジルからジャン・カルビ。中国から朱成梁。イギリスからレイモンド・ブリッグス。日本から林明子。ケニアからレオ&ダイアン・ディロン。オーストラリアからロン・ブルックス。いずれも現代を代表する一流の顔ぶれです。
ある年の1月1日が、ロンドンのグリニッジ標準時0時にあわせて始まります。見開きの紙面は8つに分けられ、8つの国の同時刻の風景がえがかれます。アメリカは左頁上にいて、まだ12月31日の夜6時。子どもがテレビを観ています。
日本は右頁上にいます。1月1日の午前9時、お正月の朝です。絵は林明子さん。お母さんが女の子の髪にリボンを付けています。これから羽根つきに行くようです。
12時/女の子は外で羽根つきをしています。猫も一緒。3時/犬が羽をくわえていってしまい女の子は泣きます。6時/雪が降ってきました。猫の皿には魚が一匹。夜の9時/猫は帰ってきません。夜中の12時/猫はまだ。夜明けの3時/猫が羽をくわえて帰ってきました。びしょぬれです。朝の6時/猫はぐっすりねむっています。皿の魚は骨だけになっています。
林さんは3時間ごとの8つの場面で、犬にとられた羽を、猫がとり返してくるというお話を作り、絵物語にしました。
他7人の絵描きさんも、みなそれぞれに8場面の絵を描きました。
時間がそれぞれにちがいますが、たくさんの国で、たくさんの子どもたちが同時に生活しているのです。
地球はひとつ。安野さんが呼びかける平和へのメッセージが、国際共同出版という形で美しく実りました。