この絵本の内容紹介
あんしんあにまるずは こころでみるいきもの みつけたらみんなのこころが あんしんする。
あんしんあにまるずは ことばをしゃべらないけれど こころでわかるから いつもたのしい。
あんしんあにまるずとわたしが いつもはなしていることを ここにのせました。
【デザインについて】
これはある意味、リサ・ラーソン・バージョンのポケットモンスターを作りたいと思って考えました。カードやゲームなんかもあったら楽しそう。知らない間に人の心に住んでしまう動物たちというイメージですが、決して悪さはしない。だから誰にも気づかれない動物たち。物語を作らないで、この子達の声と配置による関係性だけで何かを伝えるというのは、難しいけどおもしろい経験でした。
【企画者からのコメント】
「Unseen Animals」が「あんしんあにまるず。」という音に変わった時点で、企画は出来上がったようなものでした。スタッフに赤ちゃんが生まれて、その子と日々接する中で、言葉以前の世界はなんて豊かなんだろうと気づいたことで生まれた本です。「あ~」とか「ばうばう」とか赤ちゃんが発する音は、毎日違っていてどんどん変化していく。音には意味がくっついてなくて、感情を伝えようと思わず動いた気持ち、つまり「心」だけがくっついている。だからなんだかわからないけど、言葉にできないものが伝わってくる。泣けてくる。感動する。喃語(なんご)と言われるものは、一瞬だけ咲く、コミュニケーションの本質の花なんだと思う。赤ちゃんの発する音は、毎日が奇跡の連続なんです。赤ちゃんが発した音は、きっと赤ちゃん本人が思う通りには私達に伝わらないはず。でも伝わらなくても、それに決して絶望せずに諦めないで、世界を信じて音を発する。そのことに感動するんだと思う。私はすぐに伝えることを諦めてきたじゃないか、すぐに世界に不信感を持ったじゃないか、それを赤ちゃんに教えられて反省して感動する。こんなことを、リサの架空の動物たちに結びつけたかった。この動物たちも、言葉以前のところから出てきたものたちだと思ったから。でも、リサの作品はすべてそうですけどね。
【編集スタッフから】
赤ちゃんから大人まで楽しめる本です。私は純粋に何も考えずに見ていて、なんだか安心させられてます。私にとってはセラピーみたいな本です。答えのない疑問をたくさん考えて、たくさんおしゃべりしてください。絵本はしっかり厚みがある合紙で作られているボードブック型なので、赤ちゃんとのお出かけにもぴったりです。みなさんで、一番ホッとできる、安心できる読み方を探してください。私は、小さな子どもが1人でこれを見てる姿を思い浮かべてうっとりしてます。