この絵本の内容紹介
自由になるための不自由を知ったとき、アニルは大人になった。
とある動物園の檻の中で一羽のハゲタカが卵を産んだ。
ハゲタカの母親は、生まれてくる子が自由に生きることを望み、卵を檻の外のコウノトリに預けた。
月が満ちて欠け、また満ちて、可愛い男の子のヒナが生まれた。
その子は「アニル」と名付けられた。
自由を求めて冒険に旅立つアニルと見送る母。
やがて恋をするアニルと、アニルに自分の卵を託すララ。
そして生まれたティティもまた大空へ旅立つ。
モロッコ在住の著者による、自由を求めて旅に出た動物園のハゲタカの冒険と愛の物語。
幼い子どもから、現実逃避を望む現代の大人の心にも響く。
モロッコのエキゾチックな絵もまた魅力。
編集者からのコメント
実際にモロッコの動物園のハゲタカの檻の前で、著者が想像の翼を広げて生まれた物語。
主人公の「アニル」という名は、モロッコの言語ベルベル語で「天使」を意味しています。
現地の陽の光、土の匂い、建物の装飾などが、めくるめく鮮やかなイラストにあしらわれ、ページをめくる度にエキゾチックで魅力的な世界が広がります。
3世代のハゲタカの姿と、ラストの澄み渡るようなさみしさは、きっと大人の心にも響くでしょう。