この絵本の内容紹介
川端誠氏の落語絵本シリーズ第2弾。今日は町内の宴会、暇だからというので若者が早くから集まります。そして、自分の嫌いな生き物を言い合うところからこのお話は始まります。
「おれはへびが嫌いだねぇ」「おれはたぬきだ」「おれはくもが嫌いだねぇ」と若者たちは言い合っています。最後に残った松つっあんは、嫌いなものなんかないと威勢良く言います。
しかし、威勢の良かった松つっあんですが、嫌いなものを思い出して急に肩をすくめました。若者たちは松つっあんの嫌いなものに興味津々。
若者たちが嫌いなものを尋ねると、松つっあんは「まんじゅう」が嫌いだと言うのです。若者たちがざわついていると、松つっあんは気分が悪くなったと隣の部屋で寝込んでしまいます。
普段から松つっあんのことを嫌な奴だと思っていた若者たちは、顔を見合わせ「あること」を思いつきました。そして、みんなで手分けしてお菓子屋を巡ると、あらゆる饅頭を買い集めました。
そして、買い集めた饅頭をお盆に盛り合わせ、松つっあんの枕元にこっそり運び込むのでした。
隣の部屋から声をかけて松つっあん起こすと、「うあーっ、まんじゅうーっ」。その悲鳴を聞いた若者たちは大喜び。
しかし、松つっあんの様子がおかしいことに若者たちは気づきます。
「うわーっ、まんじゅうだー、こわいーっ」と言いながらも、歌っているような声が聞こえてくるのです。
頓知と言うのはまさにこのことですよね。若者たちを逆手にとった松つっあんも悪いですが、松つっあんに意地悪しようとした若者たちも悪いといったユーモアたっぷりのお話です。でも、結局は賢い者には敵わないということですかね〜。