この絵本の内容紹介
誰でも自分の誕生日は知っていますが、自分が死ぬ日は誰も知りません。
では、死ぬ日を決めるのは誰でしょうか。それは、シニガミなのです。
自分のせいでウサギが死んでしまったとブタはお墓の前で悲しんでいます。
そして、自分をウサギのもとへ連れて行って欲しいと夜空を見上げながらシニガミに届くようお願いします。
すると、突然、森の木がしゃべり始めました。そうです、この木に化けているのはシニガミです。
シニガミは、ブタをウサギのもとへ連れて行くことはできますが、それは理由を聞いてからだと言うのでした。
そこで、ブタはウサギとの思い出や死ぬに至った経緯を話始めます。
ウサギとブタは大の仲良し。いつも一緒で楽しい日々を送っていました。
そんな大好きなウサギの誕生日に何をプレゼントしようか迷ったブタは、赤い花を送ることにしたのです。
赤い花は、むかし、ブタがおじいちゃんにもらったもの。この花を持っていると幸せになると言うのです。
今は茶色く枯れてしまったけれど、幸せの赤い花をウサギにプレゼントすることにします。
でも、ウサギに渡すと「枯れた花をプレゼントするなんてひどい」と言って泣きながらポキっと折ってしまったのです。
その言葉がショックでブタは「ウサギちゃんなんか死んじゃえばいいんだ」と言ってしまいました。そして、ウサギはその数日後に本当に死んでしまったのでした。
ブタが話し終えると、次はシニガミがブタに喧嘩をしたあとのことを話します。
実は、喧嘩をしたあと、ウサギはブタと仲直りをしようと必死に手紙を書いたり、贈り物をしようとしていたのです。
そして、幸せの赤い花を探しに行ったとき、悲しいことに崖から落ちてしまったのです。
その事実を知ったブタはどうしたのでしょう。自分も死んでウサギのところに行きたいと思ったのでしょうか。
ウサギの深い深い愛情と取り返したくても取り返せない時間の残酷さを描いたお話。心にもないことを感情のままにぶつけてしまったがために不幸のどん底に陥ったブタの心情が胸を締め付けるような物語です。
ウサギが死ぬ直前にシニガミにお願いしたこととは?
大切な人を想う気持ちが痛いほどに伝わってくる絵本です。