この絵本の内容紹介
誰でも自分の誕生日は知っていますが、自分が死ぬ日は誰も知りません。
では、死ぬ日を決めるのは誰でしょうか。それは、シニガミなのです。
シニガミはどんな姿にでも変化します。花にでも雲にでも何にでもなれるのです。今回は木に変化して、森に住む子ブタの様子を眺めます。この子ブタは悲しいことに、あと数日の命なのです。
シニガミが子ブタの様子を眺めていると、腹を空かせたオオカミがとぼとぼ歩いてきます。そして、子ブタを見つけたオオカミはパクリと食べようと近づきます。
オオカミが子ブタに近づいていみると、なんだか様子がおかしいことに気づきました。子ブタは苦しそうな息で、今にも死んでしまいそうだったのです。
オオカミは子ブタが病気であることに気づくと、元気になってから食べてしまおうと企み、家に連れて帰るのでした。
ところが、シニガミの目にはオオカミの寿命も見えています。オオカミもあと数日の命だったのです。オオカミはずるくて嫌われ者なので、早く死んでも仕方ないとシニガミはほくそ笑むのでした。
オオカミは本当に悪者なのでしょうか。子ブタを美味しそうな眼差しで眺めながらも、ふかふかの布団に寝かせ、自分は硬い床の上で眠ります。そして次の朝になると、温かいコーンスープを飲ませるのです。そして、次の朝になると子ブタにヘンテコな歌と踊りを見せて喜ばせようとするのです。
それでも、シニガミは二人の短い寿命を知っています。当然、子ブタの病気がよくなるはずがありません。
オオカミは、毎日毎日、懸命に子ブタを看病し、しまいには命懸けで子ブタの命を助けようとしました。そんなふたりの様子を眺めていたシニガミの心境にも変化が訪れ始めたのです。
子ブタの病気は無事に治るのでしょうか。余命幾許もないオオカミはどうなってしまうのでしょうか。
オオカミと子ブタ、そしてシニガミの心温まるお話。命の尊さや誰かに尽くす大切さを描いた絵本です。
余命宣告されたオオカミと子ブタの命に不安が募り。ふたりの友情に胸が熱くなり。シニガミの温情に優しさを感じ。終始、次の展開が気になることでしょう。