この絵本の内容紹介
コーヒー好きが共感できる、コーヒー好きには堪らない絵本です。
全国に多くのファンを持つ徳島県の人気焙煎所・アアルトコーヒーの庄野雄治さんが、コーヒーのことを何から何まで包み隠さず教えてくれます。
温かみのある可愛らしいイラストを添えて、コーヒーの基本から楽しみ方までをお話仕立てで展開——。小難しいうんちくを聞くよりも、コーヒーのことがずっと好きになるはずです。柔らかくふんわりとした表現が心地良く、コーヒー初心者にもおすすめの一冊です。
この絵本は、以下の4部構成で描かれています。
- 序章
- コーヒーってなに?
- コーヒーをいれてみよう
- コーヒーは自由に楽しもう
序章
家で飲むコーヒーは、なんだかホッとする。
お店のコーヒーとはちょっと違う。
それは大切な家族や恋人のため、そして自分のためのものだから。
おいしいコーヒーってなんだろう。
それをみつけるために必要なのは、どんなコーヒーが好きかを知ること。
好みは人それぞれ。
そして、ときどきで飲みたい味は変わるもの。
キラキラ日差しのまぶしい朝のコーヒーと、シトシト雨が降る夜のコーヒーは違ってもいい。
1.コーヒーってなに?
コーヒー豆というけれど、本当は豆ではなくコーヒーの木になる果実の種なんだ。
果肉を落とし、種を干すとコーヒーの生豆になる。
緑がかかっているからグリーンと呼ばれていて、麻の袋や木のたるにつめて世界中に届けられる。
2.コーヒーをいれてみよう
たくさんのいれ方がある。
大きくわけると、紙や布でこすいれ方と、こさないいれ方がある。
こしたコーヒーは油分がとれてすっきりした味になり、こさないコーヒーは油分のうまみも楽しめるこってりした味になる。
忙しい朝はコーヒーメーカーでさっと。
時間があるときはお気にいりの道具で、ゆっくりていねいに。
無理をせず、そのときどきでいれ方を選ぶのがいいと思う。
3.コーヒーは自由に楽しもう
なにもいれないで飲むブラックコーヒーがいい、なんてことはまったくない。
自分の好きな飲み方をするのが一番。
おぼえておくと役に立つことを1つだけ。
酸味や苦味が気になるときは、お湯を少し足してみよう。
丸みができて、やわらかな口当たりになるんだ。
世界中の人がおいしいっていうコーヒーなんてない。
自分がおいしいと思うコーヒーが一番だ。
いや、愛する人が笑顔になってくれるコーヒーが一番かな。
コーヒーは絶対に必要なものではない。
だけど、おいしいコーヒーがあるだけで、日々のくらしはずっとゆたかになる。
自分の好きなコーヒーが、家でいれられるようになる。
それだけで毎日は変わるんだ。
庄野雄治さんの言葉からは、コーヒーへの純粋な想いが伝わってくることでしょう。この絵本の魅力に取り憑かれたら、中盤のコーヒー豆のお話や焙煎度合いのお話など、より具体的なお話もとても楽しく感じられます。
——コーヒー愛好家のお話は奥深くて難しそう……。お湯の温度や豆の特徴、それから淹れ方、どれを一つとっても繊細で難しそう……。このように初心者には手が出しにくい分野に感じられるかもしれません。
その一方で、おうちでも美味しいコーヒーを楽しみたい——そんな願望を持った方は多いはず。さらには、自分のお店を持ちたいという大きな目標を密かに持った方もいることでしょう。
そんな方におすすめなのがこの絵本です。絵本だと思って侮ってはいけません。とても分かりやすく、それでいて奥深い、コーヒーについて学べる至極の一冊です。
平澤まりこさんのイラストがお洒落雑誌のように目を惹き、眺めるだけでも楽しむことができます。
コーヒーをもっと好きになりたい。コーヒーについてもっと知りたい。そんな想いが形になったような絵本に仕上がっています。
ピクトブック編集部の絵本談議
なんだかホッコリしたね。
それにコーヒーを淹れてみたくなったよ。
うんうん。
コーヒーは奥深くて難しそうな世界に感じていたけど、もっと気軽に楽しめるものなんだね!
イラストも可愛かったし、文章にも癒されたなぁ。
心がスッとしたような気がするよね♪