この絵本の内容紹介あらすじ

「ヘンゼルとグレーテル」は、『グリム童話』の中の有名なお話です。

『グリム童話』を編集したグリム兄弟の兄ヤコプは1785年、弟ウィルヘルムは1786年に、ドイツで生まれました。ふたりは学修も研究も、ほとんど共通のコースをたどり、ともに大学教授となりました。専門は言語学で、その方面の業績にはすぐれたものがありますが、ふたりの名を不朽のものにしたのは、なんといっても民話の収集でした。

1807年ヤコプ22歳、ウィルヘルム21歳の時、亡びゆくドイツの民話を惜しんで、ふたりはその収集をはじめたのです。そして5年後の1812年『子どもと家庭の童話』第1巻が出版されました。これには、86編の民話が収められていました。その後、1815年に第2巻の70編が出され、以後改版のたびに民話の数は増して、1857年に第7版(最終版)が出版された時には、収集した民話の数も200編にのぼっていました。ふたりが収集に着手してから、じつに、50年もの年月が流れていたのです。

この中には、有名な「しらゆき姫」や「ねむり姫」や「赤ずきん」などがあります。

「ヘンゼルとグレーテル」は、飢饉のためにいじ悪なまま母にすてられた、ヘンゼルとグレーテル兄妹の物語です。はじめは、ヘンゼルの機転でふたりとも家に帰りますが、2度目の時には、目印のパンくずを森の小鳥たちに食べられてしまい、道に迷ってしまいます。そのあげく、恐ろしい魔女につかまって殺されそうになりますが、今度はグレーテルが勇気をふるって、魔女をやっつけてしまいます。スリルと機智と勇気にあふれた物語は、きっと、幼い心を、わくわくさせるにちがいありません。