この絵本の内容紹介
家の事情で町のおじさんのところで暮すことになったリディア。いっぱいの花を育てて、飾り気のないおじさんの店を華やかにする。笑顔を見せないおじさんのために秘密の計画を進める。
1930年代、アメリカの大恐慌の時代を背景に、寄り添いながら生きる人々のすがたが、少女リディアの目をとおして描かれています。 逆境にあっても、くじけず懸命に生きる少女、無愛想で、笑顔を見せないおじさん、遠く田舎から少女を思いやって手紙をくれるおばあちゃん、パンのこね方を教えてくれるエマと、周辺の人物のキャスティングがみごとです。物語の進展とともに花が増え、おじさんのしかめ面がわずかずつゆるんでいく様が、繊細なタッチの絵で表現されていきます。ラストページ、万感の思いを込めて抱き合う少女とおじさんに、胸が迫り、涙をさそわれてしまいます。