この絵本の内容紹介
「大好きなおばあちゃんに帽子をプレゼントしたい」と考えた子どもたち。帽子屋さんに誤解され、計画は頓挫。飾り卵を持って話しに行き、誤解は解ける。日曜日、おばあちゃんはプレゼントの帽子をかぶって晴れ晴れと歌う。
人種や民族が、サラダボールのなかのようにまぜこぜになっている国。そんなアメリカのある町での、復活祭を目前にした出来事がリズミカルな語りと華やかな色調の絵でくりひろげられます。何があっても、しっかり受け止めてくれるおばあちゃんと、子どもたちの間に通う信頼と愛情が、温かく、懐かしく語られます。つらい過去の体験からかたくなに心を閉ざしている帽子屋のおじいさんが、一途な子どもたちの思いに触れて、ほんのわずかずつ打ち解けていく様子が、文章と絵とでフーガのように表現されていきます。最後のページに込められたユーモアと、深く大きな愛と懐かしい想いに、胸を打たれます。まるで、美しい映画を見たような感動を覚えたという、感想をいただきました。