この絵本の内容紹介
生まれつき目が見えない少年と、そのおじいさん。ふたりの語らいで物語が進みます。 少年が、どのようにものを見、生きる力を身につけてきたか。 暗闇を恐れず、馬に乗って走れるようになった少年が、やがて一人で生きていく日のことを、 おじいさんは静かに語りかけて・・・。
闇の中から、しだいに明るみへ、影と光を巧みに表現している絵がみごと。 深いしわが刻まれたおじいさんの顔、目に星のない少年のいくぶん上向きの顔と手の構えなども、 ふたりのキャラクターをものがたっています。 アメリカ先住の人々の口承文芸の伝統を下敷きに、祖父から孫へ口伝えで語り伝えていくストーリーは、 ことばのひとつひとつが研ぎ澄まされて、むだなく、まるで詩のように美しい。 この作品は、声にあげて読むと、一層味わいが増す作品で、 翻訳当初からさまざまな方々によって朗読され、 朗読劇という形で上演もされています。 子どもから大人まで幅広い人々に感動をあたえる作品です。