この絵本の内容紹介
幻想的な雰囲気を持った、不思議な物語です。
美術館に展示されている、ガラス球に入ったドールハウスのようなお城。
その中に、ひとりの少女が住んでいる――
しかも、見学に来た女の子たちに、その少女が見えるといいます。
なぜ少女がそこにいるのか、少女の正体は誰なのか――といったことはわからないまま。
少女は、お城の中できれいなものに囲まれながら、未来永劫、孤独なときを過ごすよう運命づけられています。
孤独をいやすため、少女は夜の夢の中で、昼間に美術館を訪れた女の子たちを訪ねていき、出会った相手の絵を自分の部屋の壁に飾ります。友だちのしるしとして。
そして、この絵本の読者も、少女の友だちになれるのです。
チェッコリのイラストは実に詩情にあふれていて、絵をながめているだけで、美術館にいるような気分になります。
その時点で、読者はもう作者たちの魔法にかかっているのですね。