この絵本の内容紹介
お腹の赤ちゃんからお母さんへのお手紙(押韻詩)。
おませでとってもキュートなたいじちゃんが、きゅうくつなお腹の中であれこれモンクをならべています。
あれもない、これもない。鬼ごっこもかくれんぼも、することなすこと、ぜ~んぶ失敗! おまけに邪魔くさい紐(へその緒)でくくられちゃって・・・「バンジージャンプやってるんじゃないんだから。じょうだんじゃないよ!!」。
生意気言ってみたものの、でも、ほんとはちょっぴり心配。
ママがいないと何にもできないかも? チック・タック・チック・タック・・・もうしばらくママの心の時計、聞いているのも悪くないかな?
★訳者の新宮さんからのコメント★
国内にも妊娠や胎児を描いた絵本がいくつかありますが、その多くは、母親や祖父母など待ち受ける側の愛情を描いたものです。
あるいは兄姉教育を目的としたものであり、人間の胎児を主人公とし、胎児側からの働きかけを描いたものは見当たらないと思います。
本書の主人公は子ども目線による欲求や不平不満が一杯の超現実的なたいじちゃんなので、子ども達にとってはとても親しみやすく、また、妊産婦にとっては、実際の胎児が絵本の‘たいじちゃん’の姿をかりて母親に話しかけているような印象を与えるので、母児のコミュニケーションを促すことが期待されます。
児が様々な感情をもった一人の人間として描かれていることは、命の教育においても非常に重要であると考えています。
助産師の対場としては、産前学級における教材としての利用、母子関係や愛着形成支援のための媒体としての活用法が考えられ、ブックスタート運動に加えて欲しい1冊と思います。
自分が日々かかわってきた命の現場が好きで、このような素敵な絵本を日本の妊産婦さんや子ども達にぜひ紹介したいという気持ちです。