この絵本の内容紹介
以前よくかくれんぼをしていて、おじいちゃんに見つけられた場所に隠れる「ボク」。階段の下、ドアのうしろ、ベッドの下、木と木のあいだ……。
そのうえ、おじいちゃんのコートをはおってみたり、靴をはいてみたり、一緒にやった凧あげをしたり。
「はやく出てきて、いっしょに遊ぼうよ」と、誰ともなく語りかけますが、いつまでたっても大好きなおじいちゃんは出てきてくれません。「ボク」はこの遊びがだんだんつまらなくなってくるのですが……。
繊細で多感な少年の心が見事に描写されていて、「ボク」の行動一つひとつに胸がキュンとなりますが、悲しみで胸がしめつけられるだけではなく、未来に希望を見出す前向きな作品です。
大切な人の死を受け止め、自分なりに答えを見つけ出そうとする男の子と、「ボク」の気持ちを受け入れやさしく抱きとめるお母さん。
ふたりのやりとりと、最後に「ボク」がおじいちゃんの居場所を見つけることができた場面に、ほっとすることでしょう。