この絵本の内容紹介あらすじ

舞台は真冬の北極。ある、凍えそうに寒い日に、ほっきょくぐまの赤ちゃんが2頭生まれるところから、この物語は始まります。

お母さんぐまは子ぐまたちが厳しい自然界で生きていけるよう、さまざまな知恵を授けていきます。

冬、春、夏、秋、そしてまたやってくる冬。一年を通した、彼らの暮らしぶり、子ぐまへのしつけ、子ぐまの成長、他の生物との共存など、現実は過酷でありながらも、やわらかい語り口には、著者のあたたかさが感じられます。

そして、一瞬写真かと見まごうほどの、やさしいタッチで描かれたすばらしい絵の数々に、思わず息をのんでしまうことでしょう。

彩り豊かな四季をとおして、過酷な北極で生活をする彼らが、力強く、ときにはやさしく、文章と絵で表現されていて、大人も楽しめる、読み応えのある作品に仕上がっています。

この本に登場するほっきょくぐま以外にも、現在さまざまな生き物の生活を脅かしているのが温暖化です。氷がとけて、無数の生き物たちが生きていくのが困難な状況に陥っています。彼らを、そして地球を守るために、わたしたち一人ひとりに今なにができるかのか、考えさせるきっかけを本書は与えてくれるはずです。

動物園でしか見たことのない、ほっきょくぐまの本当の世界をのぞいて見ませんか?

読み終えたあと、何か大きなものがこころに残る、すてきな作品です。