この絵本の内容紹介あらすじ

「欲ばばあが、また来た。それ、ついちまえ」と、一番大きいねずみが叫びました。

ころころと転がっていくだんごの後を追いかけて、穴の中に入ってしまったおばあさん。暗い穴の中を手探りで進んでいくと、奥には歌い踊りながら楽しそうに臼ををついているねずみたちがいました。それを見たおばあさんはいたずら心をおこして、ちゃっかり金の臼と杵を手に入れてしまいます……。ひょんなきっかけで幸せを手にする人と、それをうらやみ悔しがる人。民話は時に理不尽に思えるほど、対照的に人の生き方を見せてあっけらかんとしています。それが、長い間語り継がれてきた物語の凄みなのでしょう。楽しさ、おかしさ、恐ろしさ、愚かしさ……自在な筆のタッチで人の心に生まれる様々な感情を、えいやっと描き出した絵の迫力。人の世とはちがう異世界の有り様を淡々と書いて印象深い文章。新しい定番となる絵本ができました。