この絵本の内容紹介
いっぽう、ピイは森のまんなかにある池にたどりつき、じっと池の中をのぞきこんでいました。
はずかしがりやで、「ハダカであるいてらあ」と子犬にはやされただけで、ひきこもってしまう子ぶたのピイ。他愛ない言葉に傷ついても、自分のありたい姿を思い描いて行動します。それがたとえ的はずれてあったとしても、そうせざるをえない強い思いがピイにはありました。おっとりとした雰囲気の中に自分の居場所を見つける覚悟というものを感じさせるお話の深さ。それを明るく生き生きとした風景の中に描き出した画家のはげまし。だれもの心の中にピイはいるのではないかしら。50年近くも前に書かれた物語なのに、現代の子どもたち、大人たちにこそ読んで感じてもらいたい切実が、ここにあります。