この絵本の内容紹介あらすじ

ーおれいに、このシッポをさしあげましょう。

カタカタと映写機の音が聞こえてくるような、小さな映画のような絵本。ピンクのカーテンの奥に広がる夜空、星空が映し出された布団、清潔な白いベッドと正子ちゃんのパジャマ、ウサギのぬいぐるみ……。 1つひとつが、静けさと神秘さを漂わせて物語が始まる。「トトントトン・・」という、キツネが戸を叩く音が澄んだ空気の中に響き渡ってくるようなのだ。昼間、正子ちゃんに助けてもらったキツネがそのお礼を伝えたくて夜中にやってくる。静謐でありながらユーモラスなお話。文章の奥にある余白の気配の広がる絵。ラストシーン、草原の向こうから「ぼく、ありがとうできたよ」「よかったわねえ」というキツネの親子の声が聞こえてくるようではないか。