この絵本の内容紹介あらすじ

「ああ、もうすぐできあがりさ。だが、ここでほんのすこし、しおづけにくをいれると、ぐっとうまくなる……」

冬に読みたいスウェーデンの民話。心地よいテンポの菱木晃子さんの文章がするりと本の中に誘い込んでくれる。ある晩、男が森の中の家を訪ね、一晩の宿を乞う。けちん坊なおばあさんは、もちろん嫌。でも「くぎ1本で上手いスープをつくる」という言葉にそそられて、男を泊めることに。鍋を覗くおばあさんの、涎の垂れそうなうれしそうな顔。食糧部屋からいそいそと肉やジャガイモを運ぶ足取り。読んでいる私たちは、ごくりと唾をのみながらスズキコージさんの絵の魔法にかかってしまう。恍惚としているおばあさんと、すまして食べている男のラストに、なんだかおばあさんが可愛らしく見えてきた。とにかく、2人ともハッピーでよかったよかった。