この絵本の内容紹介
ばあちゃんは、とうさんをきずつけずに三メートルのひみつをどう話すかをたのしげに思いえがきはじめていた……
「ほんのひとっとびさ」。怖がることはない、ほんのちょっとと思ってみたら、本当に飛べたんだよ、というおばあちゃんの言葉だ。 3メートルとはいえ、はじめてヒコーキに乗る体験をしたひいおじいちゃん。それに憧れてヒコーキに乗ったおばあちゃんは孫のミチも誘うが、ミチは怖がって乗らない。ミチの顔がちょっとびびっている。ひいおじいちゃんも、おばあちゃんも「飛んだ」人なのだ。それは、空を飛ぶことでもあり、いまの自分を超えるということでもあるかもしれない。おばあちゃんの部屋の窓の向こうで、跳び箱を跳んでいるミチ。跳びきった背後の空を見ていると、ミチはきっと飛ぶだろうなと思えてくる。ひいおじいちゃんとヒコーキに乗っているミチの姿と、訥々と語るおばあちゃんの言葉が、脈々と繋がるご先祖様の血に守られていることの勇気を感じさせてくれる。長谷川さんの描くのびやかな空が実に素晴らしい。心から願えばいつか、ぽんと自分を超えられる、そんな気持ちになる絵本。