この絵本の内容紹介
ポケットから出した銀色のカードは見たこともないものだった。
昔話「三枚のお札」を土台に、谷川俊太郎さんがパロディ化して作り出された作品。「三枚のお札」は、和尚さんがくれたお札のお陰で、小僧は鬼婆からにげきったという話ですが、お札のかわりにカードを 携え、逆に鬼婆に会いたいと夜の街に出て行った少年はーー。絵は、シリーズ2度目の登場となる下谷二助さん。下谷さんの底力を発揮した作品といえるでしょう。公園のベンチでひとり焼き栗を食べている女も変だし、ギターを爪弾きながら寂しい歌を歌う(ポルトガル語のファドにしてみました)女も何か妙だ。少年が辟易している表情もどこか可笑しい。頁をめくる楽しみと驚き、どこか不穏な気配の物語が絶妙の新しい絵本。