この絵本の内容紹介
村の学校の先生は、よく壮大なピラミッドの話をされる。ナビルは見たくなった。その大きなピラミッドを、わが目でたしかめたくなった。砂漠を歩き、ひたすら歩いていって、たしかめるんだ・・・・・・。一年ものあいだ、ナビルはそのことを夢見ていた。その夢がいつかかなうことを、ねがいつづけてきた・・・・・・。砂漠を歩き、ひたすら歩いて・・・・・・。
『アンジュール』『たまご』『マリオネット』・・・・・・。数々の名作を生みだしてきたバンサンが、特別な熱意を傾けて完成させた、初めての日本版オリジナルのデッサン絵本。砂漠と、そこで力強く生きる民への限りない愛と憧憬をこめて、少年の“夢を歩いた旅”を追います──。見る者の胸の奥に語りかけてくる、深い精神性が息づく絵の連なりから、孤高の画家バンサンの“心の原風景”が果てしなく広がります───。