この絵本の内容紹介
お化け屋敷のお化け達は、毎年恒例の海水浴へやってきました。お化け達がやってきたのは、人間のいないお化けだけの浜辺です。
海を目前に一つ目小僧は大喜びで浜辺を駆けていきます。三つ目の大入道は、屋敷の外では体が大きくなるので荷物持ちを任されます。
お化け達も人間と同じように海に入る前には入念に準備体操を行います。
波は穏やかで風は爽やか、日差しがさんさんと照る中で海へ入って遊ぶ者もいれば、唐傘の下でお昼寝をする者もいるのです。
ひょろけは、砂かけばばあのお手伝いです。砂をかけるならここの砂が一番だと言って、砂かけばばあは嬉しそうに浜辺の砂を一生懸命にかき集めます。
一つ目小僧が沖まで泳ぐころには、ろくろっ首はそのまた遠くの海までいるので心配です。ところが、ろくろっ首は首を水面まで伸ばして海底を歩いているので心配ありません。
お化け達が思い思いに海水浴を楽しんでいるところ、素潜りの得意な共潜の姉妹がたらい舟にアワビやサザエをいっぱいに入れて沖からやってきました。今夜は、海のお化け達が集まって浜辺で宴が開かれるのです。
次は、赤鬼と青鬼達が鬼ヶ島からやってきました。鬼達は船に魚をどっさり乗せて浜辺に上陸です。
食材が集まると、次は小豆とぎと小豆洗いが慣れた手つきで魚をさばき始めます。一方で三つ目の大入道は自分がお酒を飲みたいからと鬼達に酒を薦め始めます。
お化け達の浜辺には、美味しそうな料理やお酒が次々と運ばれ、最後は巨大な海坊主やタコ入道もやってきます。お化け達が一堂に会し、いよいよ楽しい宴の始まりです。
お化け達の人間っぽい様子や逆にお化けならではの様子が楽しいお話です。お化けと言えばなんとも恐ろしい存在に感じますが、そのイメージを払拭するほどに海水浴を楽しむお化け達の姿はとても愉快に感じることでしょう。