この絵本の内容紹介
この絵本は、千葉県安房郡三芳村にある延命寺というお寺に所蔵されている地獄絵図を使っています。
ある明け方、五平という老人は気づくと地獄の入り口にいました。二匹の鬼に死んだことを告げられ、地の底へと引きづりこまれます。
暗闇を抜けるとまず着いたのは、槍の尖ったように鋭い死出の山。死に物狂いで死出の山を越えると次は三途の川。また、死に物狂いで三途の川を渡ると、とうとう最後は閻魔大王のいる都に着くのでした。
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閻魔大王が五平を呼ぶと生前の悪い行いに対する裁きが始まります。そして、「針地獄に落ちよ」と閻魔大王から裁きが下ります。五平が生前の行いを心から悔やみひれ伏していると、そこにお地蔵様が現れます。
五平は生前、毎日、お地蔵様に手を合わせ、溺れている子どもを助けようと川に飛び込んだこともありました。それを理由にお地蔵様は閻魔大王を説得し、生き返ることを許されたのです。
最後に閻魔大王は言います。
「生き返る前にとっくりと地獄を見せてやろう。もとの世に戻ったらみなに話してやるとよい」
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五平は最後に地獄を見せられます。なます地獄に火あぶり地獄に針地獄、火の車地獄に竜の口地獄。生き返った五平は極楽に行けるように他人を悲しませないことを決心しました。
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この絵本は、リアルな描写の地獄絵図を使っており、小さなお子さんにはショッキングな内容も含んでいます。
ですが、東村アキコさんの育児ギャグ漫画『ママはテンパリスト』第4巻などで取り上げられたのを機にしつけ絵本としてブームが起きました。
この絵本を読み聞かせれば、やんちゃなお子さんもきっと言うことを聞いてくれるようになるでしょう。そして、命を粗末にしないこと、命の大切さを感じ取ってくれるはずです。