この絵本の内容紹介
17編の短い詩を納めます。『ぼくたちのあいさつ』は、「おす!」。この言葉に、いろんな気持ちが込められています。
けんかした日、しゃくにさわる日、ぼくたちはだまっている、「ジロリ」と「ジロリ」・・・「おれはもう息がつまるぞ」「ひょっとしたら、あいつも・・・」・・・そして、どなる。「おす!」へんじがくる「オス!」。
幼なじみと重なる『ちこく王』、できることなら運動会を回避したいわが子へ『びりのきもち』、ニンゲンってなんだろうと問いかける『ニンゲン』、子どものころに歌った『サッちゃん』、大人になることが楽しみになる『おとなのマーチ』、わが子が抱く父親のイメージと重なる『おとうさんのあしおと』・・・。
ひとつひとつの詩に、共感したり、思わず「くすっ」と笑ってしまいます。それは、自分のことや身近な人を、詩のなかに感じるからでしょう。詩人だからこそ、言葉がこんなにも心に届くのでしょう。最初に読み終えた時の気持ち、しばらくして読み直した時の新たな気持ち、様々に変化する自分の気持ちを発見し、生きていくことが楽しくなってきます。